先日の早稲田アカデミーに続いて、四谷大塚の入試報告会に行ってきました。
今回の会場は、東銀座駅から徒歩7分ほどのところにある、銀座ブロッサムホールです。
全然話が関係ないのですが、会場に向かう途中にすごい行列ができているカフェがありました。
50人は並んでたかな?
しかもそのほとんどが外国人の方。
気になりそのお店をググってみました。
Glitch Coffee and Roasters GINZA
どうやらコーヒーが有名なカフェのようです。
口コミ評価も4.6✨
私はコーヒー詳しくないし、甘いコーヒーしか飲めないし、行っても多分その素晴らしさが感じられないと思うのですが。
コーヒー好きの方はぜひ足を運んでみてくださいね🥰
報告会全体を通して
まず今回の報告会を一言でまとめると、大学の新共通テストについてのお話が多かったのが強く印象に残っています。
それは、四谷大塚が中学受験だけではなく、中学受験の先を見据えて指導しているということにもつながるのでしょう。
中学受験がゴールではなく、社会や世界に出て活躍する力をつけさせたいという思いがあるようです。
2025年からの新共通テスト。
変更点は具体的に
①情報が新しく加わり現在の5教科7科目900点満点から、6教科8科目1000点満点になる。
②現代文に実用的な文章が加わり、大問4から大問5に増え、試験時間が80分から90分に増える。
など。
従来のセンター試験も現在の共通テストも、そもそも出題範囲はそれほど変わらないそうですが、センターは基礎問題多めだったのに対し、共通テストは応用が増えているとか。
国語の文章量は1.5倍、英語は以前は発音の問題から始まっていたのが今はいきなり長文スタートだそうです。
中学受験もですが、大学受験も難化しているのだなあと改めて感じさせられました。
そんな大学受験の影響もあり、中学受験でも単純に知識だけを問うのではなく、思考力や表現力を問う問題が増えているのだなと思いました。
四谷大塚の取り組みですごくいいなと思ったのが、個人の成績データと志望校の出題頻度や難易度をAIで分析し、その子に足りない点をまとめた個別の問題集を作成してくださるということ。
集団塾でありながら、個別にも手厚い対応をしてくださるのは嬉しいですね。
学習面、精神面、両方で生徒を伸ばすというのが四谷大塚の指導とのことでした。
2024年首都圏中学入試の背景
①現行課程最後となる大学入学共通テストが実施された
②出生率がピーク時(1949年)の三分の一、私の世代(1980年代)の半分ほどまで減っている
③首都圏の中学受験世代人口も減っていて、現在の小1は小6よりも10%ほど少ない
④首都圏の中学受験世代人口は減っているが、受験率は上がっているため、受験者は増えている
⑤首都圏の学校改革がさらに加速
今年1番の注目校は、埼玉県所沢市に開校される開智所沢中等教育学校。
⑥コロナが落ち着き、東京や神奈川の受験生が千葉や埼玉を前受けする従来のスタイルが戻ってきた。
⑦2月1日には新6年生対象に、開成・桜蔭入試同日体験受験を行なった
算数
算数の入試問題の形式は、試験時間は45〜50分、計算、小問(一行問題)、大問の順に設問総数16〜20問が一般的である。
小問で基礎力を確認し、大問でやや難しい典型題への習熟度や初見の問題に対する力や思考力を確認することが多い。
小問から難度の高い問題を出題する学校は桜蔭、駒場東邦、豊島岡女子、早稲田、フェリスなど。
大問1から初見の問題に対応する力や思考力を試す出題形式の学校は開成、筑附、麻布、栄光、渋幕など。
ここ数年の算数の入試問題は、教科書の内容を遥かに超えた高度な知識やテクニックの有無を問うというよりも、『その場で思考錯誤して自分で解法を見つける能力』を強く求める出題が増えている。
知識・テクニックが通用しないという意味での難しさが増していると言えるが、典型題と呼ばれる問題に多く触れて、その解き方を正確に理解し、マスターすることを学習の最優先においてほしい。
応用力や『その場で試行錯誤して自分で解法を見つける能力』はこの典型題をマスターすることの上に成り立つ。
応用力をつけるには、基礎基本を徹底することから始めるのが結局は近道である。
その際最も大切なことは、自分の頭で考え、自分の力で答えを導き出すことである。
解説を聞いたり読んだりしてわかったつもりで学習を終わらせてしまったり、解法をただ単に暗記するという学習では真の力を身につけることはできない。
授業中でも家庭での学習でも頭をフルに働かせ、自分の力で考えることを常に心がけてほしい。
国語
首都圏の難関校119校を分析した結果です。
まず出題される文種については近年大きな変化は見られない。
詩を出題する学校も例年通り。(青学、筑駒、芝浦工大附属)
119校中94校が大問2題構成。
論説的文章と文学的文章の組み合わせが基本パターン。
文章を一題だけ出したのは15校で、その場合は5000字を超える長文が多い。
一校あたりの文章総字数の平均は8000字ほど。(一文章あたりの平均字数は3900字ほど。)
この文字数は文庫本16ページに相応する。
文庫本16ページを10分ほどで読むスピードが求められる。
出題ジャンルは、説明文では『人間と社会』が突出して多く、全体の30%を占めた。
物語文では『友人・異性との関係』が34%と一番多かった。
出題作品の刊行年について、2023年刊行が約38%、直近5年以内刊行で69%を占める。
そして注目すべきは、2023年に刊行された本のうちでも8月までに発売された本がほとんど。
夏休み前に発売された話題作は模試などでも多く出題されるので一度は目を通しておきたい。
頻出作品は、早稲アカの報告会同様、村上雅郁さんの『きみの話を聞かせてくれよ』や、市橋伯一さんの『増えるものたちの進化生物学』など。
理科
どの学校の入試問題においても、単純に知識を確認する問題だけではなく、あるテーマについて、表やグラフ、図や文章などを用いて様々な形で提示し、その条件を利用して解答を導き出す問題、つまり理科的な分析力や思考力を問う問題が多く見受けられた。
また時事問題というと社会を思い浮かべるが、理科でも時事的な話題の問題が多く出題された。
例えば、異常気象、感染症、地球温暖化、外来種、線状降水帯、地震、抗原検査など。
2024年は日食も月食もないが土星食があるので確認しておきたい。
学習院中等科では、大谷選手のテーマで、バットに当たったボールの飛距離や対空時間に関する問題が出ました⚾️
理科は身の回りのこと全てがテーマとなりうる科目である。
身の回りのことに普段から興味を持って、疑問に思うことはどんどん聞いたり調べてほしい。
社会
今年の社会の入試問題の最大の特色として、AIに関する出題が劇的に増えた。
昨年までは人口知能の略称としてアルファベットが問われる程度であったが、今年はAIで作られた文章の正誤を問うたり、AIの利点・問題点を考えさせるものもあった。
この傾向は今後も続くと予想される。
またジェンダーやアイヌに関する出題も目立った。
また2023年の出来事からは、G7広島サミットに関する問題が多かった。
核兵器に関わる条約や、グローバルサウスと呼ばれる発展途上国や新興国との関係に展開した学校もある。
特に人口が日本一となったインドについての出題も多かった。
このように、社会は世の中の動きと切り離すことのできない教科である。
社会の中学入試では次のような力がもとめられる。
①基礎知識の確立・・・テキストの理解と定着
②分析力・・・表やグラフなどの資料・統計を見て特色を分析する力、数字の変化を理解する力
③読み取る力・・・文章や設問文、選択肢を正確に読み取り、何が問われているかを理解する力
④表現力・・・問われた事柄を簡潔に説明し、さらに自分の考えを表現する力
⑤社会への関心・・・世の中の出来事や情報にアンテナを伸ばし本質を理解する力
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